糖尿病になる前の対策として、食事の改善と運動を取り入れる事でかなり効果的な予防が期待できます。
コストゼロで出来る食事と運動の工夫で糖尿を撃退しましょう。
目次
食事での糖尿病予防策
【よく噛んでゆっくり食べて低GIに】
(GIとは、グリセミック・インデックスの略で、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標の事で、食品に含まれる糖質の吸収度合いの事をいいます。
摂取2時間までに血液中に入る糖質の量を計ったものです)
まず手軽に始められる糖尿病対策として、単純ですがよく噛みゆっくり食べる事です。
糖質は小腸のはじめの部分で吸収されるので、あまり噛まずに早く食べてしまうと血糖値は急に上がります。
でもよく噛むと小腸からインクレチンというホルモンが分泌され、このインクレチンが消化管の運動を抑えます。
そうなると、胃に入り小腸に行くまでの食べ物の移動が遅くなり、血糖値の上昇が抑えられます。
毎日の食事の際に意識して血糖値を抑えていきましょう。
朝は 身体の活動の開始を助ける為に血糖値が上昇しやすくなっています。
ですので、ジュースのような吸収されやすい糖質を含むものは控えましょう。
昼ご飯は主菜と副菜からしっかり噛んで食べられるように定食がオススメです。
夕方以降は食べたエネルギーが余って体脂肪としてたまりやすいので、早めに済ませる事です。
しかし、忙しくでも食事を抜くのはいけません。
なぜなら、食事回数が減るとドカ喰いをしやすく、1度に多く食べてしまい血糖値が上がりやすく、体脂肪も溜まりがちになります。
また絶食間隔が長くなれば、次の食事での血糖値は上がりやすくなります。
そして、糖質が多い主食を食べる時は、白米なら玄米に、
食パンなら全粒粉パンという具合に、食物繊維が多く血糖値が上がりにくい食品を選ぼう。
同じように食物繊維が多い野菜、海藻類、
きのこ類などを先に食べる事によって食事全体が低GI化して血糖値が上がりにくくなります。
【糖質ではなくエネルギーを制限する】
食事を変える中で大切な事は、摂りすぎる摂取エネルギーを減らす事です。
糖尿病の予防と改善がハッキリと認められるのはエネルギー制限のみです。
食べてエネルギーになるのは糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素。
ダイエットや糖尿病改善の為に糖質制限があるが、何からエネルギーを減らすのが一番いいのかは実はまだよく分からない状態。
ただ、無理をして過度な制限をしても長くは続きません。
日本人の平均的な摂取バランスな糖質55〜60%、脂質20%〜25%、たんぱく質15〜20%を守ったまま
主食、主菜、副菜を少しずつ減らしエネルギーを減らすのが理想的。
総エネルギーが減れば、当然糖質も減ってきます。
1日に摂るべき摂取エネルギーの目安は自分の体格(身長)に合う標準体重×活動量という公式から求められる。
[適正な摂取エネルギーの計算法]
1日の摂取エネルギー=標準体重{身長(m)×身長(m)×22}×25
いちばん健康度が高いBMI22の時の体重が標準体重です。
そらに活動量に応じた係数を掛けます。
デスクワーク主体なら25、やや活動的なら30です。
例)身長175cmで運動不足なら、1.75×1.75×22×25≒1684kcalとなります。
デスクワークで運動不足ならば、身長175cmで1日1700キロカロリー程度です。
成人の平均摂取エネルギーは1日2000キロカロリーなので、
よほど食べ過ぎていない限りは3食で主食や主菜をひと口ずつ減らせば達成可能です。
運動での予防策
【食べたら15分の軽い運動を】
食事をしっかり噛んでゆっくり食べたら、後は軽めの運動を心掛けましょう。
食べてすぐ横になったり体を動かさないと、糖尿病のリスクが上がります。
逆に食べた後、体を動かすと高血糖が防げるのです。
糖尿病の初期は食後のインスリンが不足する為、食後の血糖値が高くなりすぎるという食後高血糖から始まる。
糖質を摂って動かないと、使われない血糖が余り血糖値は上がります。
そこで食後に軽めの運動をする事で、この食後高血糖を防ぐ事ができます。
オススメはウォーキングです。
筋肉で体脂肪を燃やす有酸素運動ですが、同時に運動のエネルギー源として糖質も取り込みます。
筋肉が糖質を取り込んでくれれば、その分血糖が減り食後高血糖が抑えられます。
例えば、朝食を食べたら散歩する。
ランチ後は遠回りして帰ったりなどなど、こうした小さな努力が糖尿病に強い体質を作ってくれます。
血糖値を下げる為に歩く場合は、1回15分を目安にしましょう。
歩く時はヘソに力を入れてお腹を凹まし、大股で腕を大きく振り、体幹をひねりながら歩きましょう。
こうする事で、腹部・太もも・臀部といった大きな筋肉が動かされ、
それだけで多くの血糖が取り込まれて血糖値が下がりやすくなります。
【有酸素運動と筋トレが最強】
食後のウォーキングが即効性の高い対策とすると、長い期間で見た対策はやはり有酸素運動と筋トレが良いです。
有酸素運動は運動エネルギーとして筋肉で糖質も体脂肪も燃焼します。
運動時はインスリンの動きは抑えられますが、
代わりに運動で活性化するAMPキナーゼという酵素によって糖質を筋肉内に運び入れるグルットが糖質を取り込むのです。
運動で分泌されるアドレナリンには、体脂肪を分解する作用もあり、しかも内臓脂肪から減りやすいのです。
そうなると、内臓脂肪から分泌されているインスリン抵抗性を促す炎症物質も減るので、インスリンが効きやすくなります。
歩いたり、走ったり、自転車に乗ったり。
何でもいいので、息が切れないペースで1回20分程度、週2〜3回試しましょう。
同じ運動でも筋トレでは糖質や体脂肪の消費はあまり少ないです。
代わりに筋トレで筋肉が増えるとグリコーゲンとして貯蔵できる血糖が増え血糖値が下がりやすく、
筋トレで筋肉を刺激するとグルットが増えてインスリンの効き目も良くなります。
腕立て伏せ・スクワット・プランクの3種目で胸(大胸筋)・臀部(大臀筋)・太もも(大腿四頭筋)・体幹(腹筋と背筋)の大きな筋肉を鍛えると効果的です。
10〜15回×3セットを週2回以上続けると筋肥大しやすく効果的です。