夏に食が細くなるのにはちゃんとした理由があります。
ストレス、血流の変化、交感神経の過緊張、
カリウム不足など要因は様々ですが、知識があれば対策はそう難しくありません。
食材、食事法、五感を使うなど胃バテを防ぐ方法は多数あり、組み合わせて行うとより効果的ですよ!
目次
食生活からの夏バテ チェックシート
☑夏場の食事は何といっても素麺
☑おやつは毎度アイスクリームで
☑暑い夜にはビールと唐揚げで乾杯
☑アイスコーヒーにはシロップをたっぷり
☑喉が渇いたら清涼飲料水で水分補給
☑胃にもたれるので夏場は肉類をパス
☑食前にグレープフルーツティー
☑疲れているので料理は作らず外食オンリー
食前にはハーブティーを飲み、その香りで副交感神経を優位に
好きなハーブの香りを嗅ぐとリラックスできますが、これは心身を休息させる副交感神経が優位になっているからです。
副交感神経がオンになると消化管の血流が良くなり、消化機能が復活して胃バテから救ってくれます。
食前にハーブティーを飲むと消化吸収がスムーズに進み、食べ物の栄養素を効果的に摂取しやすくなります。
研究で副交感神経を優位にすると確かめられているハーブはラベンダーくらいですが、
香りが心身にもたらす作用には個人差が大きいのでホッとできるかどうかという自らの感覚を信じた方が良いです。
逆にグレープフルーツは副交感神経を抑えて、胃腸の働きにブレーキをかける交感神経をオンにするので気をつけたいところです。
冷たい飲み物ばかりだと胃腸がおかしくなりやすいから、ハーブティーは夏場もホットで飲むのがオススメです。
ラベンダーを含む数種のハーブをブレンドしたティーバッグを利用しましょう。
ハーブは水出しでは成分が十分に抽出されない製品も多いから、
アイスで飲みたいときはグラスに氷を入れてから熱々のハーブティーを注いで作るのが良いです。
お酒は飲み過ぎは禁物ですが、
シャンパンカクテルのような抵アルコール度数の食前酒を少量飲むことも胃酸の分泌を促して食欲を高めてくれます。
※夏でもハーブティーはホットでどうぞ!
案外不足しやすいカリウムは夏野菜と新鮮な果物で補おう
欠乏でバテの引き金になる典型例はビタミンB群ですが、意外に見過ごされているのがカリウム欠乏です。
カリウムはナトリウムとともに神経や筋肉の機能を維持するのに欠かせないミネラルです。
カリウムは通常不足しない栄養素で、ナトリウムほどではありませんが発汗で同様に排泄されやすい
さらに糖分入りのカフェイン飲料をがぶ飲みすると、糖分やカフェインとともに体外に排泄されやすくなります。
甘いアイスコーヒーやエナジードリンク、炭酸飲料の飲み過ぎは避けましょう!
カリウムが足りないと神経や筋肉が正しく働かないため、倦怠感や疲労感といった夏バテの症状が出やすいです。
ナトリウムとカリウムは腎臓からセットで排泄される仕組みが備わっています
カリウムが足りないとナトリウムが相対的に増えるから、ナトリウム濃度を一定に保つために体内の水分量が増えて、むくみや水太りが生じます。
ただし、カリウムはサプリではなく食品から摂るのが鉄則
カリウムは過剰摂取すると死亡の恐れがありますから、高純度のカリウムのサプリは売っていないほどです。
カリウムはモロヘイヤやトマトなどの夏野菜、スイカやバナナなどの果物に含まれます。
食品で摂る分には過剰摂取の恐れはないからご安心を!
トッピング系調味料を活用して乱れがちな食生活をお手軽に改善
バテ気味の体調を整えるには食生活の見直しが大切だとわかっても、
忙しいと常に栄養バランスだけを考えて生きるわけにはいきません。
そこで「ちょい足し」するだけで夏バテが防げるトッピング
和洋中という主要3ジャンルの料理にベストマッチなトッピング系調味料の紹介です。
まず和食でオススメなのが柚子胡椒。
柚子のリモネン、ビネン、シラトールなどの香り成分はリラックス作用があって、副交感神経を優位にして消化管の働きを助けます。
柚子胡椒に含まれる唐辛子のカプサイシンには胃酸分泌の促進作用もあり、
うどん、焼き鳥などに最適ですよ♪
中華料理には、いまだファンが多い食べるラー油。
ニンニクのアリシンは代謝を促すビタミンB1を持続的に働かせるし、生姜特有のシネオールの香りが食欲を促します。
中華冷や奴、餃子、ラーメンに数滴たらすだけで、風味もアップします。
最後はイタリアをはじめとする西洋料理全般にフィットするバジルペースト。
バジルのリナロールやオイゲノールなどの香り成分は副交感神経のスイッチを入れて胃腸を元気にします。
バジルはビタミンE、カルシウム、マグネシウム、鉄分といったビタミンやミネラルの宝庫でもあります。
オルニチンとクルクミンで代謝の中枢・肝臓を元気にする
蒸し暑さを吹き飛ばしてスカッとする為にビールとフライドポテト。
というのもストレス解消には悪くありませんが、ほどほどにしないとお酒の飲み過ぎ、揚げ物の食べすぎは胃バテにはマイナス面が大きいです。
なぜなら肝臓の負担が増えてしまうからです。
肝臓は人体最大の臓器であり、5大栄養素の代謝に深く関わっています。
肝臓がダメージを受けると栄養素不足で疲労感マシマシですが、
アルコールや、揚げ物のような脂肪分過多の食事は肝臓の負担を増やすだけ
アルコールは肝臓でしか代謝されないし、
消化管で脂肪を分解するには肝臓が作っている胆汁による乳化作用が欠かせないからです。
代わりに摂りたいのはオルニチンとクルクミン
オルニチンはアミノ酸の一種であり、
肝臓のオルニチンサイクルでエネルギー代謝の邪魔をするアンモニアの解毒を促して、疲労回復を助けます。
クルクミンには抗酸化作用があり、
肝臓で代謝されると腸管と肝臓を行き来する腸肝循環に入り、抗酸化作用を持続させて肝臓を守ってくれます。
オルニチンはシジミ、クルクミンはウコンの成分だが、
持続的に摂るならサプリメントを使うのがより実現的です。
ドライフルーツ×ミックスナッツ×大豆の賢い間食で胃バテ脱出!
夏場の間食では冷たいアイスクリームやかき氷が食べたくなるけど、栄養の偏りをカバーするならひとひねりです。
コンビニで買えてデスクワーク中でもながらでつまめるドライフルーツ、
ミックスナッツ、大豆製品を揃えると、間食が不足しがちな栄養補給のチャンスに変わります!
ドライフルーツではプルーン、レーズン、ブルーベリーがオススメです!
いずれもカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分といったミネラルが摂れます。
ミックスナッツにはビタミンB群、ビタミンE、体内で合成されない必須脂肪酸などが含まれています。
ドライフルーツもミックスナッツも食べすぎるとカロリー過多になるケースもありますが、
そこに大豆製品を加えると食物繊維たっぷりで腹持ちも良いので余計なカロリーを摂取するリスクも減らせます。
大豆製品は大豆バー、豆乳、ドライ納豆、おからクッキーなどで、大豆の栄養素がおやつ感覚でさくっと摂れます。
大豆製品はタンパク質が多いし、夏場のエネルギー危機を救うビタミンB群が含まれています。
ビタミンはB群やCのように水溶性だと一気に摂っても必要以上の分はオシッコから排泄されるし、
運動時の発汗などでも失われやすいから、間食でこまめに摂取するのが正しいです。
これからは罪悪感を持たずに正々堂々と間食を楽しみましょう!
酸味のある食べ物で食欲増進、有機酸でエネルギー代謝を促す
夏になると酢の物など酸味のある献立が増えるのは食品のpHを酸性に傾けて微生物の繁殖を防ぐ先人の知恵ですが、同時に酸味には夏バテを避ける働きがあります。
そもそも味覚は甘味、酸味、苦味、塩味、旨味という5つの基本味からなり、その組み合わせが食べ物の美味しさを決めています。
味覚を感じるのは、舌に無数に備わった繊細なセンサーである味細胞。
基本味はそれぞれ異なる味細胞でキャッチされます。
酸味は腐敗した異物を見分けるために発達したと考えられていますが、酸味の役割はそれだけではありません。
第一に酸味を効かせると暑い日でもサッパリ食べられます。
素麺に梅肉を入れたり、冷やし中華に酢をかけたりすると、普段よりも箸が進むます。
さらに過度な酸味と塩味は副交感神経を介して唾液の分泌を促して、交感神経をオフにして胃腸の働きを改善。
胃バテの予防に効力を発揮します。
そして酸味の活用は食欲不振によるエネルギー不足を解決してくれます。
酸味の正体は酢酸やクエン酸などの有機酸です。
有機酸にはエネルギー代謝を促進する働きがあるため、夏場の疲労回復をサポートしてくれます。
酢が苦手な人はレモンなど柑橘類の優しい酸味を利用しましょう♪
色合いや香りなどで五感を刺激してやると食欲不振に打ち勝てる
懐石ように器に綺麗に盛り付けられた料理は見るからに美味しそうだし、
風邪をひいて鼻がつまっていると何を食べても味気ないです。
食べ物の美味しさは舌が感知する5味だけでは決まりません。
人は高度な脳を持っているので、食べ物のテイストも脳で総合的に判断しています。
そこには味覚のみならず、視覚、嗅覚、触覚、聴覚という五官から得られた五感がトータルに影響を与えています。
特に大事なのは視覚です
なぜなら、人が得る情報の90%ほどは視覚情報だからです。
真っ白い素麺に黒い麺つゆだけでは食欲はそそられませんが、青いネギを添えたり、赤いトマトを加えたりするとグッと魅力的になります。
赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫、黒と彩りをカラフルにすると、
自然と緑黄色野菜、果物、海藻類キノコ類などが摂れて栄養素が過不足なく摂れます。
総菜もパックから出して皿に盛り付けるだけでグレードアップです。
さらに香りの良い香味野菜、違った食感が楽しめるピクルスやところてんなども加え、
気の合う仲間や家族と楽しく語らいながら食べて聴覚を心地よく刺激すると食事が一層美味しく感じるようになり、食欲不振から脱出できるはずです。
ネバネバ食品+肉類orマグロは、うな丼を超える最強スタミナ食
日本の蒸し暑い夏を乗り切るスタミナ食の代表といえばウナギです。
ウナギは9種類の必須アミノ酸が揃う良質のタンパク源で、ビタミンAやビタミンB群も豊富だから滋養強壮に役立ちます。
そしてウナギのヌルヌルの正体である多糖類には胃の粘膜を保護する働きがあり、胃バテの回復にもひと役買ってくれます。
でも残念ながらウナギは値段が高騰しすぎて1シーズンに何回も食べられない。
そこでウナギの代わりにトロロや納豆などのネバネバ食品と豚肉や牛肉、マグロなどを一緒に食べてくださいね。
ネバネバ食品はウナギ以上に多糖類たっぷりです。
豚肉も牛肉もマグロも良質のタンパク源で、ビタミンAやB群を含んでいます。
ネバネバ食品を先に食べると胃が守られ、あとから食べる肉類や魚介類の消化吸収も進みます。
マルチタイプのビタミンとミネラルでワンポイントリリーフ
カラダが求める栄養素は食事から過不足なく取り入れるのが定番ですが、
胃バテの悪循環から抜け出す為のワンポイントリリーフとしてサプリメントを導入する手もあります。
食欲がないと栄養素がまんべんなく摂りにくいし、
胃バテで消化管の機能が全体的に下がっていると口にしたものを消化・吸収して取り込む働きも落ちてしまいます。
サプリなら食欲がなくても無理なく摂れるし、消化・吸収のプロセスが大幅に省けて、栄養素が効率的に摂取できます。
ひと口にサプリといっても多種多様ですが、
胃バテした凹腹を狙うならまず摂りたいのは不足しがちなビタミンとミネラルを配合したマルチビタミン、マルチミネラル。
ビタミンもミネラルも体内で合成できないし、カラダの機能を正常に保つには不可欠なものです。
どちらも互いに助け合いながら働くから、複数の成分をバランス良く配合したマルチタイプで摂るのが合理的で、
マルチビタミン・マルチミネラルは、食欲の秋までの2カ月分が2000円ほどで買えるので経済的です。
食事と同じタイミングで摂るようにすると習慣化もしやすいですよ♪