運動による夏バテは過剰な発汗によるカラダと脳の疲労です
夏だって運動したい!
って気持ちはわかるけど、炎天下で運動するならこんな夏バテ対策は必須です
しっかりと対策をすれば運動による夏バテはかなり防げます。
その8つの方法を紹介します!
とまずはその前に、
自分がどれだけ運動による夏バテなのかチェックシートで確認しましょう!
目次
運動による夏バテ チェックシート
☑玉のような汗をかく
☑運動する前夜も遅くまでパソコンやスマホ
☑カラダが火照ったらおでこを冷やす
☑汗をあまりかかない
☑運動をして体重が減った!と喜ぶ
☑サングラスはしない派
☑清涼飲料水で水分補給
☑少しくらいならくらっときても運動続行
1、10日間の有酸素運動か半身浴で暑さに強い体質に
四季の変化がある日本では衣替えをするように季節に応じた体調管理をしたいです
夏場の汗バテを避けるために事前に行いたいのが、暑さに慣れる暑熱順化
暑さに対応して皮膚血管と汗腺の機能を高めて体温を下げる力を底上げします。
運動部の夏合宿で初日に多くの学生が倒れやすく、熱中症の患者も暑さが本格化する前から増えるのは暑熱順化が済んでいないから
暑いところで運動すると暑熱順化が起こりやすいけど、それを100とすると運動だけでも70%ほどの効き目があります。
具体的にはランニングなどの有酸素運動を30分以上、10日ほど行うのがいいです。
運動が嫌いなら長湯して体温を高める半身浴でも一定の効果はあります
暑熱順化のメカニズムとして眠っていた汗腺が蘇って能動汗腺が増えるという解説もあるけど暑熱順化の前後で能動汗腺の数に大きな差はありません
一つ一つの汗腺の能力が上がって発汗量が平均20%ほど増えて体温を下げる能力が上がります。
2、マイボトル3本分で水分をローディングする
運動で汗をかかなくても、ヒトは1日およそ2.5リットルの水分を体内から失っています
内訳はオシッコから1.5リットル、便から0.1リットル、そして呼吸や皮膚から無意識のうちに失われる0.9リットル。
運動時にちゃんと汗をかくためにも、日頃から2.5リットルの水分は必ず摂ってウォーターローディングしておきたい
このうち飲料水で摂りたいのは1〜1.5リットル
残りは食事から自然に入ってきますが、夏場で食欲が落ちて食事量が減ると水分不足になりやすい。
思い当たる人は1.5リットルを目安にしましょう。
ついつい喉の渇きを我慢してペットボトルから一気飲みしたくなりますが、
水分は早めに、こまめに、少なめに摂取するのが鉄則です。
渇きを覚えた時はすでに軽い脱水症状だし、一気に飲むと尿として出やすいんです。
ペットボトルの中身をマイボトルにうつして、つねに近くに置いてコップに注いで少しずつ飲んでください
0.5リットル入りのマイボトルを3本分飲めば
今日も1.5リットル飲めた!
と自覚しやすいです
ミネラルウォーターを飲むなら、運動や発汗で消耗して失われやすいミネラルが多く溶けている硬水を選びましょう!
3、タンパク質を十分摂ると血液が増えて汗がかける
汗の直接の原料は血液だから汗をしっかりかくには血液量を適度に保つことが大前提です。
そこで重要な役割を果たしているのが、アルプミンというタンパク質です
血液は赤血球などの固形成分とそれ以外の液体成分に別けられます
アルプミンは液体成分内に多いタンパク質で、血管内のアルプミンが減ると水分が血液外にでて血液量は減ります
アルプミンは血管内に40%、血管外に60%の割合でありますが、
アルプミンは水分のように血管の壁を通過できないため、血管内のアルプミンを増やすにはアルプミンの総量を増やすしかありません。
アルプミンは体内に体重1キロ当たり4〜5グラム。
体重65キロなら300グラムほど貯蔵されているが、役目を終えると筋肉や皮膚などで分解されます。
肝臓でアミノ酸を原料に1日十数グラムほど作られるけど、半減期は17日だからアルプミンの原料となるアミノ酸を含む良質のタンパク質を積極的にとるべきです。
夏バテで肉類などからのタンパク質摂取が減るとアルプミンが減りやすいから要注意です。
4、運動時は体重2%未満の体重減少に抑える
秋からのマラソンシーズンに備えて夏場に練習に励むランナーも多いです。
ランニングに限らず、運動時間が長くて汗をたくさんかくトレーニングでは、水分補給に気をつけないと脱水による熱中症の危険があります。
熱中症を避けるために天気予報をチェックし、蒸し暑くて警戒レベルが高い日は運動を中止して
警戒レベルが低い日でも運動時には小まめに水分補給しましょう
発汗でナトリウムなどの電解質を多く失う運動時は、塩分や糖分を含むスポーツドリンクがオススメ!
糖分と塩分の組み合わせは水分吸収に優れています
水分補給の最適化には運動前後で体重を測ることが有効です。
運動後に体重が減ると嬉しくなる方もいますが、1時間運動しても燃える脂肪は30グラム〜40グラムほどなので
体重が減ったのは発汗による水分減少によるものです。
体重が2%以上、65キロなら1.3キロ以上減っていたら、水分補給が発汗量を大幅に下回り足りなかった可能性が高い。
水分が足りないと少ない血液を巡らせる為に同じ運動でも心拍数が上がりやすくなり、バテを招いてトレーニング効果が下がってしまうので注意です。
5、運動前日によく寝ると運動でバテにくくなる
使えば使うほど熱くなり、発汗を促して体温を下げようとするのは筋肉ばかりではありません
筋肉以上にヒートアップしやすいのは脳。
脳は体重の約2%の重さしかないのに全体の20%以上のエネルギーを消費し、それだけ多くの熱を作り出しています。
脳は37度で働くように設計されているから、それ以上温度が上がるのは避けたいところ
そこで高温時でも脳の温度を低く保つ選択的脳冷却という仕組みがあります
エンジンの熱をラジエーターに逃すように、脳で発生した熱を脳髄液に伝え、そこから血液に放熱
血液が代表を循環して発汗による気化熱で脳温を下げます。
汗で体温を下げようとする仕組みがヒトで発達したのは巨大な脳を持つ為でもあります
発汗以外で発熱しやすい脳を冷ますのが眠り。
目を閉じて眠りに入ると脳に入る情報量がほぼゼロになります
睡眠中は学習や記憶などの活動が行われるが、覚醒時と比べると脳の働きは抑えられるから発熱量が下がって神経細胞のケアが行いやすい
寝苦しくて睡眠不足の翌日に運動すると疲れを感じやすいのは、脳のクールダウンが足りないために早くから脳温が上がるのが理由です
なのでトレーニングの前日は安眠を心がけましょう
6、首すじを冷やして脳をクールダウンする
発汗はカラダと脳からの疲労を伝えるSOSのようなものです
本来なら汗をダラダラかくような作業は即中止すべきですが、健康作りに運動も欠かせないし、蒸し暑いからといって仕事をサボるわけにはいかない。
汗バテ防止に水分補給と並んで有効なのは、体温上昇に敏感な脳を冷やすこと。
発熱すると額を冷やしたくなりますが、脳を冷やすポイントはそこではないです。
正解は首すじの両側。
ここを通る血管は脳に血液を出し入れしているので、冷やすと脳温が効率的に下げられます。
野外での運動時には首すじに日よけがついたキャップをかぶり、冷水に浸したタオルを首すじに巻いて冷却します。
オフィスで仕事中に疲れたり、集中力が切れたりしたら、
ヒートアップした脳が『仕事を中断して頭を冷やしてくれ』
と悲鳴を上げていると思いましょう
無理に頑張っても効率は下がるだけだから、休憩して水分を摂り、保冷剤などで首すじをよく冷やしましょう。
冷たいペットボトル飲料ならクールダウンにも水分補給にも使えて一石二鳥です
ネクタイをすると首すじから熱が逃げにくいので、ノーネクタイのクールビズは脳の冷却にも有効。
シャツは第2ボタンまで開けて熱を逃がしましょう!
7、万一のとき慌てないため熱中症の対処法を知る
運動時に大量の発汗、高体温、倦怠感、筋肉痛といった熱中症の症状があるときは先手必勝で対策を打ちましょう!
自分は大丈夫と思っているとあっという間に重症化しますよ
意識がハッキリしているなら、まずは一刻も早く避難をしましょう
屋外なら風通しの良い日陰、屋内なら冷房の効いた室内に移動です
次はあの手この手で冷却作業をします
シャツやベルトを緩めて風通しを良くして熱を逃がし
露出した皮膚に水をかけてウチワや扇風機で風を当てて気化熱を奪います。
さらに首すじ、脇の下などに保冷剤や冷たいペットボトル飲料などを当てる
体温をいかに下げれるかが重症化を防ぐポイントです。
次は、冷たい飲み物でカラダを内側から冷却するとともに脱水からのリカバリーを図ります。
発汗量が多い時には失った塩分も一緒に補える経口補水液やスポーツドリンクで水分補給を行います。
それでも症状が良くならない時は速やかに医療機関に行きましょう。
熱中症で意識がない人を発見したら迷わず救急車を呼び、救急車が来るまで涼しい場所に移動や冷却を行います。
ただし意識がハッキリしない人に飲み物を飲ませるのは危険なので、病院で対処してもらいましょう。
8、汗バテの陰に潜んでいる男性ホルモン不足を疑う
運動時の水分補給を欠かさないし、食事もバランス良く摂っているのに集中力がなくなってカラダのダルさが抜けにくい。
30代以降の男性でそういう症状が出ているなら、汗バテてはなくLOH症候群の疑いもあります。
LOH症候群は主に男性ホルモンであるテストステロンの減少によって生じる症状の総称です。
テストステロンは運動機能を維持して、やる気や集中力といった心身のバイタリティを高める作用があります。
なので女性でもテストステロンを作っていて、その血中濃度は男性の5%〜10%に達します。
テストステロン濃度は加齢で緩やかに低下していくのが、1年を通じて見ると夏場はとくに分泌量が減りやすいです。
蒸し暑い環境がストレスになるとテストステロンの分泌を制御する働きが悪くなるし、暑さに負けて運動量が減るとテストステロンの合成が抑えられます。
でも、水分をきっちり摂って食生活を2週間ほど見直しても夏バテの症状がある場合は自力での改善は諦めてすぐに病院ですよ!